これはオレがまだ中学3年だったときの話







訛り少年少女









「おーい、みんな、今日は転入生がくるらしいよ?」

「え!?マジ!?」

「ほんと!マジ!九州の方から来たってさ?!」

廊下を歩いていたらそんな声が聞こえた。

(・・・転入生・・・・オレのことだやな)

そう、オレは今日この中学に転入してきたばい。
そして今、職員室に向かおうとしているっちゃ
・・・・・・・・・・・・・・・・が!!
その職員室がどこにあるのかがさっぱりわからないっちゃ!!!!

(困ったな・・・・・)

「お?、そこの男前!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

困ったっちゃ・・・ほんと。

「シカトせんでよ!ほれ、そこの茶色いふさふさ髪の兄ちゃんや!」

「・・・・オレ・・・・・・・・??」

・・・・これは関西弁・・・とでも言うのか・・・?
・・・・っていうか女の子やん!!!!

「そ?。君。見ない顔やね、転入生?」

「そうっちゃ・・けど・・・」

「もしかして君、迷ったんちゃう?うちが案内したろか?」

これは嬉しいばい。
世の中にはまだ使える者も残ってたっちゃね(酷)

「あ、お願いするっちゃ」

「転入生だったらまず職員室・・・・にいくんだよね?」

「うん、今職員室に行きたかったとよ。だけどどこにあるかわからんたい・・・」

「じゃ、とっとと行こ!職員室はこっちやで!!」








「ほれ、ついたで。ここや。」

「あ、ありがとっちゃ!!」

この女の子のおかげでこの広い学校の職員室に辿りついたっちゃ。

「んじゃ、うちは戻るで、あとは先生に聞きー」

そう言って女の子は走り去っていった。

ガラッ・・・

職員室のドアを開ける

「失礼しまーす」

「おお、君が猪里君?」

「はい、そうですっちゃ」

「よくここまでこれたね・・・ごめんなー先生たち忙しくてな。
 迷わなかったかい?」

「はい、迷ったとー・・だけど・・・・・・・あれ・・・?」

「・・・・?どうしたんだい?」


・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あの女の子の名前聞かんかったばい!!


「その・・・関西弁の女の子に・・・案内してもらったとよ・・」

「関西弁・・・・女の子・・・・う?ん・・、オレのクラスにはいないなー・・
 3年生の中のは関西弁を喋る奴はいないしな・・・他の学年だろう。」

他の学年・・・っちゃか・・・


密かに同じクラスだったらよかったな、と思うオレ。
・・・・・・なんか胸がもやもやしてる・・・
何なんだろ・・・この感情・・・




クラスに入って・・・自己紹介して・・・
だけど考えるのは関西弁少女のことばかり。
授業が始まったけど・・・
















あの関西弁少女のことが頭から離れなくて。




















休み時間・・・オレは(初日から授業をさぼろうと)屋上でぼーっとしていた。

「はぁ・・・あの子、何年生で何組で名前はなんていうとね・・・?」

「2年2組、 のことを言うとんの?」

・・・・・・?」

「うちのことでええん?」

屋上の反対側の方を向くと・・・

そこにはあの関西弁少女が立っていた。

「・・・・・・ッ!!」

「今朝はどーも。何や、うちのこと探しとったんか?」

「あ・・・うん・・・お礼とか・・・しとーて・・・・?」

「あ?ええわええわ、んなもん、人情やで!
 ん?・・まぁ、あえて言うならこれから・・宜しくな、猪里先輩」

え・・・なんで名前知っとーとね・・・??

「な・・なんで名前・・!?///」

「んなもん、3年の教室行ったろー思ったら何や上(3年の教室)が騒がしくてな。
 ちぃと覗いてみよってんけど、『かっこいい癒し系方言少年が転入してきた』って
 噂んなっとんやもん。猪里先輩人気あんねんなー」

「は・・・!?そげんこつ・・!」

「ホンマゆーて猪里先輩かっこ可愛えさかい、人気あるんはよーわかるなぁ・・」

「な・・・なんばゆーとね!ちゃんの方が可愛いとよ!」

「んなことあらへんで!うち、好きやもん。先輩のこと」










はい・・・?











今なんて言いよった・・?ちゃん・・・・











「あ?・・・今のは・・・気にせんといてや///」


「お・・・オレもちゃんのこと好いとー・・・///」

「・・・な・・・!!?せやかて!こんな・・・うち、可愛いーないで!!!」

「オレは・・・オレが道に迷った時優しく接してくれたちゃんが好いとー!!
 それにちゃんは充分可愛いっちゃね!!」

「・・・・でも・・うち・・・・関西弁やし・・・」

「オレだって博多弁っちゃ!」

「・・・・猪里先輩・・・面白いやね」

「そげなことなかとー」


「猪里先輩・・・付き合ってくれまっしゃろか・・・?」

「もちろんっちゃ!」










執筆:02年9月19日