| 名探偵ごっこ(ワトソンことソルを道連れ)で、 ハヤトとキールの関係を探っていたところ、ハヤトとキールに見つかり、 ハヤトから3時間ほどみっちりと説教を食らう羽目に。 彼曰く、「そんなやましい関係じゃない」だそうで。キールは黙秘していたけど。 じゃあ一緒に寝てたのは何でだよ、オイとソルが反論したところ 「ハヤトが寝ぼけて僕の布団に入ってきたんだ」とようやく口を開いたキール。 あぁ、あの後ハヤトは自分の部屋に戻ってベッドを間違えたのかと私は一人で納得していた。 「お前のせいで膝が痛い。痺れた。」 「何で私のせいなの。」 正座で説教を聞いた後、私とソルは罰ということでリプレの手伝いをやらされることになった。 リプレに夕飯の買出しを頼まれ、今私は右腕に食材を入れるための籠をぶら提げていた。 「お前が変なことするからだぜ。」 「何さ!ソルだって結構楽しんで二人の関係を調査してたじゃん!」 民家の屋根で出始めた月が見え隠れするのを横目に、私とソルは商店街を歩いた。 そっとソルに目をやると、ぶっきらぼうそうに歩く彼が何だか可愛く見えた。 「よう、。」 魚とお肉を買って、ソル(金銭管理担当)にチョコレートをねだって却下されて さぁフラットに帰ろうとしていたところ、嫌な奴に出くわしてしまった。 し、しかも名前覚えられてるし、呼び捨てにされてるし!? 「うっす、バノッっぴー。」 前のことを思い出す。私、こいつに拉致されかけたんだ。 あの時はハヤトとキールとガゼルがいたからよかったけれど、今はソルしかいない。 「誰だ、そいつは?俺様というものがありながら…デートかよ?」 ソルを見て、少しだけバノっぴーの顔が歪む。 私は「どうしよう」とソルに視線を送るとソルはにっこりと微笑んだ。 「ああ、そうだよ。今こいつは俺とデートの最中なんだ。邪魔するな。」 と、バノっぴーを激しく睨み付けた。 私の心臓の鼓動が高速に、いや寧ろ光速かもしれないくらいに速く脈打つ。 これ、デート?私、今ソルとデートなの? 「な、何赤くなってんだよ。」 ソルに耳元で呟かれて、ソルの吐息が耳にかかって、私の身体はビクッと反応する。 なんだか変な感じ。これ、萌えるどころじゃないよきっと。 「う、うるさいなー!ソルのバーカ!!」 恥ずかしくて、思いっきりソルに殴りかかる。 ソルは軽やかに私の攻撃をかわしながらけらけらと笑っていた。 と、突然ソルに抱き寄せられる。 「わっ?!」 「そういうことだから!」 バノっぴーにそう言い残して、ソルは私の腕を掴みながら駆け出した。 後ろから、バノッぴーが何か叫んでいるけれど、気にならない。 ていうか、気にできない。 だって、今はソルのことが…気にならないと言ったら嘘になっちゃうけど。 なんだか、ソルと一緒にいると、安心できるんだ。 お兄ちゃんみたいな感じ、なのかな。 ヘタレてるけれど。 バノっぴーが追ってこないことを確認して、ソルと私は歩き始めた。 いっぱい走ったせいで、息が荒くなる。 「あいつ、前にお前を拉致しようとしてたヤツだろ?まだ狙われてんのか?」 「何でソルが知ってるの…あ、そっか。ハヤトのストーカーしてたんだっけ。」 「いつまでも過去のコトを煩いぞっ。」 「ゴッホン」とワザとらしく咳払いをしてみせるソル。 そんなにイタイ過去を穿られるのが嫌かいヘタレよ。 「あらん、実はソル、ハヤトのこと…」 「有り得ないことは言うな。」 なんだかソル、ハヤトに似てきたような気がしますな、即答するあたり。 ソルも、もしかしたら親友になれるかもしれないな。 だって、BLに興味あるみたいだし、ボケとツッコミも結構イケるし。 私の親友になる条件、バリバリ満たしてるし。素で適合しちゃってるもん! これはもう腐界に引き込まなきゃ、なーんて。 だけど、親友が男子だなんて(しかも二人)。 今度は女の子の親友がほしいな。 リプレは…そういう子じゃないし、フィズちゃんは無理。 そしてラミちゃんは汚したらリプレに半殺しにされそうだから論外。 あぁ、どうして女の子がいないのさーっ!? 私は自暴自棄を起こし、その場で叫びだす。 もう変態と思われてもいい。警察に捕まってもいい。 だから…だから…。 「うがぁぁぁぁぁーーーっ!!」 女の子と親友になりてぇんだーーーーーっ!! ソルを中心に商店街にいた人々がビックリしながら怪訝そうに私を見るけど この際もう構わない!女の子の親友がほしいんだーーーっ!! 「おい!?!」 「おねーえさん。」 ソルと、誰かの声が重なった。 私とソルはその誰かに目をやる。 するとそこには買い物籠を持った女の子がちょこんと立っていた。 きっと、私たちと同じ夕飯の買い物の途中なのだろう。 か、神様ーーーっ!!ありがとうーーーー!! 信じていたよ!私!ひゃっほうー!上手くいけば女の子の親友ゲッツ!? 年もあんまり変わらなそうだし…何よりも可愛い!オイシすぎー! 「な、何か用ですか!?」 まずは逃げられないように両手を拘束握る。 女の子はきょとんとした後、可笑しそうに笑った。 「ええとですね。いきなり叫んだら街の人、びっくりしちゃいますよ? だから、こういう大勢人がいるところでは慎んだ方がいいと思うんです」 「え、あ。うん、ごめんね。」 この子、なんだか正義感強いんだな。 ていうか、優しいんだ。思いやりのある子なんだな、きっと。 でも、この子も汚してしまえば親友に…ゴクリ。 「今度から気をつけてくれればいいんですよ。 それにしても、お姉さん面白い人ですね。名前を聞いてもいいですか? ちなみにボクはカノンっていいます。」 「私は!で、こっちがソル。よろしくねー。」 「はい、こちらこそよろしくお願いします。ソルさんも。 …なんだかボクたち、いい友達になれそうですね」 カノンはにっこりと笑った。 ソルもほんのりと顔を赤く染めながら「よろしく」と呟いた。 そっか、ソルも顔を赤くしてしまうほどの女の子か! 「それじゃあ、ボクは買い物の途中なので。また今度ゆっくり話しましょうね!」 「うん!またねー!」 カノンが頭を下げながら行ってしまう最中、ソルはぼーっとカノンを見つめていた。 しかも、顔が赤い。 これは、もしかして…しなくても。 「ソルくん、カノンちゃんに恋しちゃいましたー。」 ソルの耳元で囁いてからかうと、ソルは一瞬身体を硬直させて「うるさいうるさい!」と叫び始めた。 これは図星だ。そうかそうか、ソルに春が。 でも、何だかお兄ちゃんが取られるカンジでスッキリしなかった。 我侭かもしれない。けれど、この思いはどうすることもできなかった。 その夜、私はまた月を見に屋根の上に登った。 月の光が街を照らしていて、とても綺麗な風景を描いている。 「。」 後ろから私の名前を呼ぶ声。 だけど、それは予想していた人物じゃなくて、驚いた。 昨日みたいにハヤトだと思っていたのに、そこにはキールがいたのだから。 「どうしたの?珍しいね、キールもこういうところにくるんだ?」 部屋に閉じこもりっぱなしかと思ってたのに。 キールは私の隣に腰掛け、優しく微笑んだ。 「あぁ、がここに向かうのが見えたから。」 キールの言葉に、思わず心が揺れる。 「え…?」 「少しだけと話がしたくて、ね。」 ふんわりとしたキールの表情が妙に優しくて。 今日は変な日だ。ソルとキールにときめいちゃって。 この美少年兄弟はどうして私をこんなにも萌えさせてくれるんだろうか。 「そっか…。」 「こうやって、人を好きになれたのはのおかげだから。今まで僕は、身内しか信じられなかったんだ。 人間は嫌いだった。それ以前に、身内以外の人間と接することがなかったんだ。 でも、今はに出会えてにいろいろと教えてもらったから。毎日が…生きることがこんなにも楽しいんだ。」 キールは嬉しそうに笑う。最近、キールはよく笑ってくれる。 初めてあったとき、笑わなかったのは人間が嫌いだったからなんだね。 そういえば私、キールのことよく知らない。 今までどんな風に生きてきたのか、どんな環境だったのか。 …でも、今は聞かないでおこう。今が幸せなら、それでいいから。 「教えたのは私だけじゃないよ。ハヤトや子供たちやリプレたちだってそうでしょ。」 「でも、きっかけを与えてくれたのはさ。本当に感謝しているんだ。 僕が今人間らしく生活できているのは君のおかげだ。」 人間らしく?それじゃあ今までキールは? 私は感情的になり、その場に立ち上がった。 「それじゃあキールは今まで…うっわ!?」 不意に足を滑らせた。 屋根から落ちる。 そう覚悟したとき…キールが私を引っ張り寄せて、自分の腕の中へと収めた。 もう、離れることができないってくらいに強く、強く。 私は、落ちかけた時の恐怖で身体が震えていた。 怖い、怖い、怖い、怖い。 もう大丈夫、って頭ではわかっているのに。 「いきなり立つから…。もう、大丈夫。大丈夫だよ。」 まるで壊れ物を扱うかのように優しく頭を撫でてくれるキール。 其のおかげで、いくらか落ち着きを取り戻すことができた。 キールは、なんだかんだいっていつも私を助けてくれるんだ。 感謝するのは…私の方だよ。 「キール、感謝してるのは私の方なんだよ。」 私は「ありがとう」とお礼を言ってキールから離れようとする。 けど、キールは離してくれず、むしろ私を抱きしめる力を強めた。 「キール?」 「すまない。でも、もう少しだけこうさせてくれ。」 私は抵抗をやめてキールの首に腕を回した。 あれ。キールも、震えてる? 「君がいなくなるのが…一番怖いんだ。危なっかしくて、離せないよ。」 優しさの影に 「それなら、ずっと離さないで…?」 あ…れ?私、何言ってるんだろう。 今回は兄弟で、 いや、カノンは男の子なんですけど〜・・・?(汗 執筆:04年8月29日 |