「兄さん、今の見た?」
「ああ・・・すごいな、彼は・・・・。大切なものを守るという・・・
人間の隠された能力か・・。2人は技を磨けば必ず成長するな」
「とにかく、シャルティエとはソーディアンチームに
入れるべき、というのが解ってもらえたかしら?」
「痛いほどわかったよ。
しかしシャルティエ少佐自身、自分の力に気付いていないようだな」
「気付いていないのはこれまた好都合よ。花は蕾のままでも充分美しいもの・・・・」
Light of the sun
物資保管所から帰還したシャルティエ達。
ハロルドはリトラーに報告をするということでラディスロウへ向かった。
カーレルもハロルドについていった。
残された2人はとりあえず自室で休憩をとることにした。
「ね~・・シャル、怒ってるでしょ?」
「怒ってないよ」
「怒ってるもん!顔が怖い!!」
「怒ってなんかないって・・・」
通路を歩きながらシャルティエとは
「怒っている、怒っていない」の言い合いをしていた。
途中すれ違う兵士達は笑いながらシャルティエ達を見た。
各部屋の前まで差し掛かったとき一人の兵が話し掛けてきた。
「あ、シャルティエ少佐に大尉・・・!お勤めご苦労様です!
えっと、御2人はソーディアンチームに任命されたのことですので
お部屋の方はラディスロウの方に移動、ということになりました。」
兵士はそう言うとお辞儀をしてその場を立ち去った。
口論中いきなりのことだったので、口論は中断せざるを得なかった。
「・・・・部屋・・・・ラディスロウに移ったんだ・・・」
「・・・・ソーディアンチームって、やっぱり丁重に扱われるんだ・・・」
シャルティエとは口論していたことも忘れてラディスロウに向かった。
一方、ラディスロウ作戦会議室では
ハロルドとリトラー、そしてカーレルが話し合っていた。
「これがそのときの映像。」
ハロルドは一本のテープを取り出し、其れを再生してリトラーに映像を見せた。
「・・・・・これは・・・ほんとに・・・彼なのか・・・?」
リトラーは見せられている映像を見て脂汗をかいた。
「はい、ご覧の通りです。彼・・・シャルティエは普段は実力をだしきれてはいません。
しかし、ある条件があるときには彼はその秘められた力を発揮するのです」
驚くリトラーにカーレルが丁寧に促した。
「その条件とは・・・・?」
リトラーの質問にハロルドは溜息をついた。
「愚問ね。見て解らない?ほら、シャルティエは誰を庇ってるの?
そう、よ。確か彼女はシャルティエと幼い頃から一緒だったらしいわ。」
「・・・なるほど、それでシャルティエ少佐と大尉両名をソーディアンチームに・・・
しかし、大尉は剣より弓の方が・・・・」
「には強い『精神』があるわ。あのディムロスさえ上回るほどの。
だから直接剣で戦ってもらうのではない。『精神』で戦ってもらうのよ。」
困惑するカーレルとリトラー、そして不敵な笑みを浮かべているハロルド。
「むふふ、私の頭脳に不可能という言葉なんてないのよ」
「ふぅ、相変わらず雪がスゴイね~、外は・・・。
あ、リトラー総司令!それに、ハロルドとカーレル中将も!」
ラディスロウにが元気よく(?)入ってきた。
の後ろからシャルティエも入ってくる。
カーレルは「さっきぶりだね」と言って微笑んだ。
ハロルドも「はぁ~い」、とにこにこして見せた。
リトラーはシャルティエをまじまじと見つめていた。
シャルティエは其れに気付き、首をかしげた。
「あの、リトラー総司令、僕の顔に何か?」
リトラーははっとすると、「いいや、なんでもないんだよ」と苦笑した。
とシャルティエはリトラー達に一礼すると、階段を下り、各部屋へ向かった。
部屋はディムロスの私室、カーレルの私室、ハロルドの私室(兼ラボ)、
クレメンテの私室、シャルティエ・イクティノスの共同部屋、・アトワイトの共同部屋に分かれていた。
シャルティエは部屋に入る。
するとイクティノスが出迎えてくれた。
「おかえり、これからも宜しくお願いします、シャルティエ」
「こちらこそ宜しくお願いします、イクティノス」
2人は握手を交わし、互いに微笑みあった。
しばらく2人が談笑していると、がやってきた。
曰くアトワイトがいないから暇、なのだそうだ。
「それにしても私のような地位の低いヤツがソーディアンチームに迎えられるだなんて・・
っていうかさ、ソーディアンって剣でしょ?私、剣より弓の方が得意なのになんで・・・。」
「うん、僕だってあまり強くも無いのに・・・。
自分で言うのもなんだけどそんなにみたく男っぽくないのに・・・」
「ハァ!?何言ってるのよ!私は女だ!!!」
はシャルティエを一発殴る。
シャルティエは笑いながら「そういうすぐ暴力を奮うところが男だよ!」と言った。
イクティノスはそんな2人を見て笑い転げていた。
しかし、シャルティエは一瞬思い詰めた表情をした。
とイクティノスは其に気付くよしもなく、無邪気に笑っていた。
執筆:03.04.12