「みんな、準備はできたか?」
ディムロスがそこにいる全員に呼びかける。
「はい。皆できています。」
イクティノスがそこにいる全員を見、答えた。
「・・・全員、必ず生きて帰って来るんだ!!」
ディムロスが声を上げる。
それに応えて一斉に「「「「「了解!」」」」」と叫んだ。
Light of the sun
強襲揚陸艇が、炎を上げて発進する、と同時に
すごい勢いであちこちにブラブラと飛ぶ。
これは、天上軍に地上軍拠点の位置を知られないため。
あちこちを飛んでいれば強襲揚陸艇がどこから発射されたのか検討がつきにくい。
しかし、これはキツかった。
呼吸もままならなく、息苦しい。
「・・・吐きそ・・・」
「、大丈夫?」
の背中を優しくさすってやるシャルティエ。
いくらか楽になる。
しかし吐気が治る事はなかった。
が気を失うか失わないかの瀬戸際で
強襲揚陸艇が大きな音を立てながらダイクロフトに着陸した。
強襲揚陸艇がは自分の顔をベチベチと叩いて気合を入れなおした。
シャルティエはそれを見てクスクスと笑う。
強襲揚陸艇のドアが開き、ディムロスから順に降りていく。
「ここは・・・格納庫か」
ディムロスは目を細める。
油断は禁物だ。少しでも油断したら確実にこちらが負ける。
「グフフフ、ちゃーんと目的地に着いたっしょ!」
私の計算に間違いはない、と付け足すハロルド。
「ハロルド、浮かれている場合じゃない。作戦実行だ」
カーレルに促され、ハロルドは渋りながら気のない返事をした。
ハロルドはシャルティエとを引き連れて制御室へ。
ディムロス、カーレル、イクティノスはアトワイト達が幽閉されている場所へ向かった。
「早速敵のお出迎えですね!!」
シャルティエ達の前に立ちふさがる4体のモンスター。
機械のような姿をしたモンスター。
シャルティエが剣を抜く。
続いても弓を引く。
は爬虫類・・・などの気持ちの悪いモンスターじゃなくてよかった、と心から思った。
この前のようにまたシャルティエに助けられていては自分はただの足手まといなのだから。
「2人ともッ!気をつけて!!私は術で援護するわ!」
ハロルドが詠唱を始める。
晶術は、ハロルドとだけが今のところ使える。
が使えるようになったのは、ハロルドに騙されて無理矢理
晶術の研究の実験台にされてしまい、ハロルドがその実験に
付き合ってくれたお礼に、ということで使えるようにしてもらったのだ。
モンスターはハロルドに術を使われてたますか、と言わんばかりに
ハロルドに向かって攻撃を仕掛ける。
「させない!!!」
が数本の矢をいっぺんに放つ。
すると矢は全てモンスターに命中。
モンスターから気味の悪い緑色の血がドロドロと出てくる。(機械じゃないのか
そしてモンスターは倒れた。
残り3体。
「はああああ!!!!!」
シャルティエが声を上げてモンスターに斬りかかる。
途中、モンスターの鋭い攻撃で、シャルティエの綺麗な腕に傷がつく。
しかしシャルティエは構わずに剣を振るう。
スパっという音を立て、モンスターが倒れる。
やはりモンスターは緑色の血を噴出す。
その血が、シャルティエの頬に少しついた。
残り2体。
「古より伝わりし浄化の炎・・・・・・消えろ!エンシェントノヴァ!!!」
ハロルドが詠唱し終え、そう唱えると上の方から炎が
モンスターに向かってすごい勢いで落ちてくる。
あっという間にモンスターに炎に包まれていった。
そしてモンスターは全滅した。
「ふぅ、疲れた。」
はハロルドとシャルティエに「お疲れ様~」と言うと、
2人にリザレクションをかけた。
青い光がシャルティエ達を包み込む。
みるみるうちに傷や疲れが癒えていった。
「ありがとう、」
「んーん。さっ!どんどん行こう!!」
はシャルティエの頬についたモンスターの返り血を
拭き取ってやると、ぴょこんと跳ねて、前へ進んだ。
シャルティエは顔を赤く染めている。
「・・・・どうしたものか・・・」
「ここで諦めるわけにはいかない!!」
ディムロス達は、とある部屋の前で立ち往生していた。
この部屋こそ、アトワイト達が捕らえられている部屋なのだ。
扉の向こう側にはアトワイト、クレメンテ、そして開発チームがいるのだ。
しかし、扉にはやはりロックがかかっていて開けることができないでいた。
さらにこのロックはパスワード入力式で、ミクトランにしかわからないものだと思える。
「はいは~い。そんなところで何してるの?」
「ハロルド・・・!!」
ディムロス達が立ち往生している間に、ハロルド達は追いついてしまったようだ。
カーレルに自分の名を呼ばれたハロルドは、部屋の扉を見て「ふぅん」と言って笑った。
そして、ロックをいじり始めた。
「ハロルド!それはパスワード入力式で恐らくミクトランにしか・・・!」
カーレルが言った途端。
カチャ。
「はい、開いたわよ。そいじゃ、行くわよ!シャルティエ!!!」
ハロルドは2人の名を呼んで、さらに奥へと進んだ。
奥に、ハロルド達の目的地である制御室がある。
カーレルをはじめとする、救出隊は、しばらく呆気にとられていたが、
今しなければならないことを思い出して、部屋の中へと入っていった。
「ここが制御室ね。」
コンピューターしかない部屋に入ると、ハロルドが言った。
「ハロルド・・・。」
が心配そうにハロルドを見つめる。
「ん、任せて♪」
「そうじゃなくて・・・アレ。」
ハロルドはが指差した方を見る。
そこにはモンスターが約10体ほど・・・。
「・・・5分間ほど時間稼いでほしいな♪」
笑顔で頼むハロルドにシャルティエが背筋に何か冷たいものを感じた。
・・・・腹黒い笑顔。
これは強制だ。
「あ・・・!行くよ!」
「うん!」
シャルティエのの掛け声に答えた、と同時にモンスターが襲い掛かる。
「う~ん・・・面倒くさいねぇ。」
は愚痴をこぼしながらモンスターに矢を向ける。
「はあッ!!」
シャルティエがモンスターに斬りかかる。
ふと、の方を向くと後ろにモンスターが。
「危ないッ!!」
「え」
シャルティエは持っていたもう1本の剣を投げつける。
その剣がの横すれすれを通り抜ける。
そしてモンスターの断末魔の叫びが上がった。
は後ろを振り向く。
そこには今まさにに爪を立てようとしていたモンスターが動かぬ塊になっていた。
血しぶきをあげて。
その血しぶきがの服に付着する。
「ありがとう、シャル」
「う、うん///」
の笑顔に、シャルティエはときめかずにはいられなかった。
「あと2分頑張ってね♪」
と、ハロルド。
まだ6体しかモンスターを倒していなかった。
あと2分も・・・。
あるモンスターは晶術など使ってくる。
2人で6体も倒すのにどれだけ苦労したことか。
それでもあと4匹残っている。
シャルティエは後ろにいるを見た。
もうなんかヘトヘトでとても戦える状態ではなかった。
自分が頑張らなければ。
「でやああああ!!」
シャルティエがモンスターに向かって突進した。
しかし、後ろのモンスターが詠唱を始める。
このままではマズイ。
「大地に秘められし破壊の力よ・・・・・・・せーの・・・グランバニッシュ!!!」
詠唱中のモンスターの下がひび割れて、
そのモンスターを引きずり込む。そして爆発をおこした。
詠唱していたモンスターは動かなくなった。
シャルティエが斬りかかろうとしていたモンスターも、攻撃があたっていて、
シャルティエが斬ると、モンスターは血を噴いて動かなくなった。
「・・・」
シャルティエの視線を感じ、俯いていたは親指を上につきたて、微笑んだ。
「シャル、あなたは一人なんかじゃない、私がいるでしょ?」
「うん」
の言葉に、シャルティエは深く頷く。
「さ!残りのモンスターを始末しちゃおう!!」
は詠唱を始め、シャルティエはモンスターの攻撃が
にあたらないようにガードしながらモンスターに攻撃をする。
「灼熱の炎・・・バーンストライク!!」
低い声が響いた後、モンスターに向かって炎の玉々が落ちていく。
モンスターは1匹残らず焦げていった。
は呆気にとられるまま、詠唱をやめ、シャルティエはを見た。
「、今の低い声・・・は・・・」
「・・・今の晶術、誰が・・・」
「ええ!?今の晶術、じゃないの!!?」
「私があんな低い声出すわけないでしょ!!」
はシャルティエに1発、げんこつをした。
「は~あい♪もういいわよ~・・・って・・うわ!何!?全部やっつけちゃったの!?」
ハロルドがコンピューターから手を離し、達のところへやってくる。
ハロルドはモンスターの死体の数々をみて驚愕した。
「・・・あ、・・・・は、はい。まぁ・・・」
が曖昧な返事をする。
8匹は2人で倒したのだが、もう2匹は自分達以外の誰かが
バーンストライクをぶっぱなしてモンスターを倒したからだ。
「まぁいいわ。もうココには用はないわ♪ちゃっちゃと格納庫に急ぎましょう!」
格納庫に行くと、すでにディムロス達が待っていた。
「よし、全員揃ったな。」
ディムロスの顔はどことなく嬉しそうだった。
恐らく原因はディムロスの隣。
「アトワイト大佐~ッ!!」
は声を上げてアトワイトに抱きつく。
アトワイトはを抱きとめると、の頭を優しく撫でた。
「、無事だったのね・・・・ッ」
「アトワイト大佐もよくご無事で・・・!」
はくすん、と鼻を鳴らして涙を拭いた。(泣いてたのか
シャルティエはホッとしたような顔をして、脱出艇に乗り込んだ。
「さ、感動のご対面は帰ってからやるぞ。今は早くここから脱出しなければ」
ディムロスがアトワイトとに言った。
2人は返事をして脱出艇に乗り込む。そして最後に回りを確認して、ディムロスが乗り込んだ。
執筆:03.05.05