!!」

彼女の名を呼び叫ぶと同時にシャルティエは跳ね起きた。
イクティノスが驚いたようにシャルティエを凝視していた。

「目を覚ましましたか、シャルティエ。君は・・・」

「イクティノス!!は・・・!はどこですかっ!!?」

シャルティエはイクティノスの言葉を遮った。

・・?見ていません。それより、シャルティエ。
 君は一人拠点の外に倒れていたのですよ。・・・何かあったのですか?」

シャルティエは目を見開くと、勢いよく寝えていたベッドから降りた。
上半身は包帯で巻かれていた。血も少し滲んでいる。









「僕の・・・せいだ・・・!!僕がもっとはやくあのことを話していれば
 こんな事にならなかったのかも知れないんだ・・・・・・!!!」










頭を抱えながら床に崩れ落ちるシャルティエを見ていたイクティノスは
シャルティエの肩をぐっと掴み、シャルティエの目を見た。








彼の目はすっかり怯えきっていた。









「シャルティエ!一体何があったんです!!自分を卑下するのはあとでいい。
 今は何があったのかを話すんだ!!・・・シャルティエ!!!」












「・・・バルバトスが・・・生きていました・・・」














シャルティエは精気の無い声で言う。一方イクティノスは驚愕して言葉を失った。

「僕は・・・無力だ・・・。とアトワイトが攫われたというのに助ける事もできなかった・・・!」























Light of the sun
























「そうか・・・」

作戦会議室で事情をを洗いざらい話したシャルティエは、ようやく落ち着いたようだった。
リトラーは話を聞いて溜息をつく。







「バルバトスが・・・生きていただと!!?あいつは確かにこの手で仕留めた筈・・!!」

ディムロスは苦痛そうに訴えた。
そして「アトワイト・・・!!」と付け足す。






「僕の責任です僕がダイクロフトでのできごとをもっと早く報告していれば・・・!!」

「いや、シャルティエ。君の責任ではない。バルバトスは生きていた。
 ということは私があのときちゃんと殺さなかったから・・・・」

ディムロスは唇を噛締めた。










「とにかく、バルバトスは2人をどうするつもりなんだ・・・!!」

カーレルが気まずい雰囲気の中、呟いた。
リトラーはそうだな、と唸り始める。

「あやつは天上軍に寝返ろうとした。そしてディムロスに殺されかけた。
 ということはバルバトスはディムロスの命を狙っているのかもしれんのぉ・・・」

クレメンテはディムロスを見た。
ディムロスもクレメンテを見る。

「では・・・私が・・・!!」
「僕が2人を救出しにいきます!!」

ディムロスが言いかけたそのとき、シャルティエが名乗り出た。
その場にいた者はシャルティエの意外な行動に呆然とした。







「もとはといえば僕のせいで2人がさらわれました。だから・・!」
「ダメだ!!」

シャルティエの言葉を遮り、叫んだのはリトラーだった。







「私たちはそれほど余裕は無い。もうすぐソーディアンは完成する。
 ソーディアンチームはすでに2人欠けた。
 さらにシャルティエ、君までかけてしまったら我々地上軍の勝利率は下がるのだ!
 2人には悪いが・・・バルバトスと2人についてはこの戦いが終わったらにしてもらいたい。」

シャルティエは唇を噛締め机を睨んだ。
イクティノスは「シャルティエ・・・」と声をかけるがシャルティエは何も言わなかった。











「先程も言ったように、ソーディアン完成はもう間近だ。それまで充分体を休めておいて欲しい。」





























「シャルティエ、いるか」

「・・・はい」

会議終了後、シャルティエは一人泣いていた。
そこへディムロスがやってきたのだ。
シャルティエは涙を拭うと姿勢を正してディムロスに体を向けた。

「会議が終わってすぐ、拠点の入口付近にこれが置いてあったそうだ」

ディムロスは一枚の紙切れと、どこかで見たブレスレットとロケットペンダントを差しだした。

「このロケットペンダント・・・の・・・!」

「そしてこのブレスレットは私がアトワイトにあげたものだ。」

シャルティエはディムロスから紙切れとロケットペンダントを受け取り、
紙切れに書いてある文字を読んだ。










紙切れには“スパイラルケイブへ来い”












とだけ書かれていた。




「これはバルバトスからのものだろう」

ディムロスは溜息をついた。
そしてシャルティエの様子を伺う。






シャルティエはしばらくバルバトスからの手紙をながめていたがそこで口を開いた。



「僕、とアトワイトを助けに行きます。」

「・・・決心が固まったようだな。では、共に行こう」

ディムロスはふ、と優しく微笑むと、すぐに厳しい表情になった。


「やっぱり、あんたたちは行くのね」

突如部屋の扉の方から声がした。
声の主は寝癖のついたピンクの前髪を掻揚げながらふぅ、と溜息をついた。

「ハロルド!!」

ディムロスが声を上げると、ハロルドはふふふ、と笑って
持っていた2本の剣をディムロスとシャルティエに差し出した。

「はい、これ・・・ソーディアンよ。事情は兄貴から聞いたわ。
 バルバトスはディムロスでも苦戦するほどの強敵だからね。アトワイトを無事助けてきなよ?
 シャルティエ、絶対にヘマないでよ?に何かあったら私が許さないから★」

シャルティエとディムロスは各自、剣・・ソーディアンを受け取ると、力強く頷いた。






































「やはり・・・オレの妻になれ」

バルバトスはの腰に手を回し、どんどん自らの顔を近づけながら言った。
はバルバトスを睨みながら奇声を発していた。

「い゛・・嫌に決まってるでしょ!!何なのよ!ロリコン!!!くそ!放せ!!」

「10歳しか離れていないじゃねぇか」

「充分ロリじゃヴォケ!!こんの犯罪者!!

「バルバトス!!やめなさい!には手を出さないで!!」

「アトワイト、お前もオレの妻にして欲しいのか?」

バルバトスはアトワイトに近寄り、今度はアトワイトの腰に手を回した。

「きゃ・・・」



「バルバトス!!!」

岩陰からディムロスが飛び出した。

「ディムロス・・・!!」

アトワイトが嬉しそうにディムロスの名を呼ぶ。
バルバトスはククク、と笑う。

「ようやくきたな、ディムロス・・・待っていたぞ」

「バルバトス・・・貴様生きていたのだな・・・」

ディムロスは剣を構えた。

「ああ、あのときはオレも終わりかと思った。しかし、あのあとオレは目を覚ました。
 お前はオレがあのとき仮死状態だったということにも気付かずオレの死体を放置していった。」

ちゃんと死体を持って帰っていればよかったのにな、とバルバトス。

「今度こそ・・・お前の息を止める!覚悟しろ!バルバトス!!!」



執筆:03.06.07