「あのサレが仲間になるとはな」

「同感だ」

 リッドとリオンがまじまじとサレを見つめる。サレは鬱陶しいと言わんばかりに舌打ちをした。

「キミたちの仲間になったわけじゃないよ。僕はの道具として生きてるだけだからね」

 サレがアドリビドムに来てから数日が経った。相変わらずサレは私以外の人間には小ばかにした対応をしていた為、なかなか打ち解けることができずにいる。だからこうして、たまに食堂でサレを含めて仲間たちと一緒にお茶を楽しんでいた。

「サレ、その言い方はダメだよ。もう仲間なんだから。それに私はサレのことを道具だなんて思ってないもん」

……」

 私が微笑みかけると、サレは私の手を取り、手の甲にキスを落とした。

「おい! から離れろよ!」

 咄嗟にリッドがサレの顔を押し退けた。サレはリッドを睨みつけたあと、鼻で笑う。リオンもサレのことを鋭い目つきで睨んでいた。ええ……なにこれ怖い。

「サレはここに来てからずっとの側から離れないよな。まるで、お姫様とお姫様を守る騎士――」

 アスベルの言葉にリッドとリオンの表情が曇った。というか、何か黒いオーラのようなものが見える気がした。アスベルもそれに気づいたのか、途中で言葉を切り、目を泳がせる。

「ところで、とリッドとリオンはどういう関係なのかな?」

 そんな空気も気にせずにサレが問いかけてくる。私は慌ててサレに視線を向けた。

「リッドとリオンはね、いつも私と一緒に依頼を受けてくれるの。すごく頼りになるんだよ」

 二人は今までずっと私と一緒に依頼を受けてくれたり、守ってくれたり、一緒に戦ってきた仲間。3人で築き上げてきた絆とチームワークは伊達じゃない。これからもずっと、続いていくと信じてる。

「また依頼が来た時はリッドとリオンも誘うね!」

 それが、いつもの決まりみたいなものだった。すると、リッドとリオンの表情が少し明るくなった。

「お、おう! いつでも誘ってくれよな!」

「ふん……」

 ふふ、二人とも頼もしい。
 ふと時計を見て、あることを思い出した。

「あ、サレの依頼に同行しなきゃいけないんだった。サレ、入隊試験の依頼だよ。そろそろ行かなきゃ」

 サレの入隊試験。私はサレの付き添いということでアンジュから同行を頼まれていた。サレが受けた依頼だと言うのに、忘れていたのだろうか。本人は暢気なものだ。

「はいはい。どこまでもついて行きますよ、僕の可愛いお姫様」

 サレはそう言って私の肩を抱いて、リッドとリオンに向かってニヤリとほくそ笑んだ。

「……サレ?」

「フフ、なんでもないよ。ほら、行こうよ」

 私はサレの行動を不審に思いながらサレと共に部屋を後にした。



Jealousy02




(あの野郎……わざとだな)
(ちっ、どうしてはあんな奴を連れてきたんだ)
(二人とも、ドス黒いオーラが見えるんだが……)




執筆:11年3月23日