女の子が集まって恋バナに花を咲かせていた。集まったのはシェリアとアニーとクロエと私。話を聞いていると、皆それぞれ好きな人がいて、色々頑張っている。すごいなぁ。それに比べて私はどうだろう。リッドとリオンとサレは私を好きって言ってくれてるのに、一人だけを選ぶ事ができなくてなあなあにしちゃっている。

「それにしても、はすごいわよね。3人から求愛受けてるだなんて」

「ああ、ハーシェルとマグナスと……あのサレもだっったか」

 いつの間にかシェリアとクロエの「ライバルは潰すか否か」談義は終了していて、何故か話題は私のことになっていた。
二人がまじまじと私の顔を見つめてくる。うう、そんなに見つめられると恥ずかしいんだけど。

「リッドとリオンとは前からよく依頼受けてたわよね。そんな二人がを好きになるのはなんとなくわかるけれど」

 下顎に手を当てながらシェリアが眉間に皺を寄せた。

「何でサレはにベッタリなんだ!?」

 続いてクロエが不思議そうに問いかけてくる。何でって言われても、サレの考えてる事なんて私にはわからないよ。

「えっ……それは私がサレと仲良しだからじゃないかなぁ」

「うーん、そうじゃなくて。キッカケは!? 何でサレに気に入られちゃったのかが知りたいのよ!」

 テキトーに答えてもシェリアは更に食いかかってくる。こうなったらシェリアを止めるのは難しい。
 うう、きっかけ……なんだろう。そもそもサレはいつから私を好きなんだろう。この船に来た時からずっと私から離れようとしなかったけど、その時にはもう? 肝心のきっかけは?

「私はただ、サレと戦って仲間に加えただけなんだけどー……」

 もう、それしかないんじゃないかと。

「わからないわね、それだけじゃあのサレがここまでに惚れるかしら」

 シェリアが納得いかない表情でため息をつくと、アニーが思い出したように目を瞬かせる。

「あの、わたしも同行してたのですけど、さんはサレさんを倒した後、トドメを刺さなかったんです」

「ふむふむ」

「それで、さんはサレさんに「これでサレの命は私のもの」って言ったんです。恐らく、それで」

 アニーが言い終えると、シェリアとクロエの視線が私に突き刺さる。
 え、あれ? 私サレにそんなこと言ったっけ? あの時はサレを殺さずに済むよう必死だったから!

「なるほどな……サレにそんなこと言ったのか」

「プロポーズしたようなものよね。しかもサレって自分を認めてくれる人にコロッといっちゃいそうなタイプだし」

「ええええ!? そ、そうなのかぁ」

 アニーに助けを求める視線を送ると、アニーは苦笑しただけだった。
 そ、そっか私はサレにプロポーズみたいなことしちゃったのか。それで律儀に私と一緒に行動してくれているのか。だけど、私はサレに普通の生活を送って欲しいんだけどな。確かに「私のもの」とか所有発言しちゃったけれど、そんなもの関係なく。いや、それだけで私を好きになるなんて! サレってよくわからない。

「で、リッドとリオンが今荒れてるわけね」

「罪な女だな

「罪な女って……、私もどうしたらいいかわからないんだよー! リッドもリオンもサレも好きだけど、私恋愛ってよくわかんないから。はぁ」

 サレが来た事で今まで常に一緒に行動していたリッドとリオンがよく思ってないのはわかってる。私としては、3人に仲良くしてもらいたい。私も架け橋になれるように頑張ってるつもりだけど、なんだか空回っている気がするんだよね。やっぱり、私が誰か一人を選べないでいるから、なんだろうな。

「わ、わたしはリッドさんと一番お似合いだと思いますよ! なんだかんだで一番長くいるじゃないですか」

 アニーがリッドさんが一番ですよね? と問いかけてきた。
 え、リッド!? 確かに3人の中ではリッドとの付き合いが一番長いけれど。

「そう? あたしはリオンとお似合いだと思うわ。リオンならあの3人の中で一番しっかりしてるから、安心してを任せられるわ」

 シェリアがリオンでしょ?と笑顔で問いかけてきた。リオンはいつも怒ってるみたいだけど本当は優しいし。

「二人ともサレの味方はしないのか? サレも顔だけはいいじゃないか。それに、あんなに一途なんだから、結構いいのではないか?」

 クロエがサレを選んだらどうだ?と問いかけてきた。サレをここに連れて来た責任は私にあるし。
 ――ていうか、やっぱり選べないよ!

「結局は誰が一番好きなの!?」

 アニーとシェリアとクロエの真剣な表情に、私は苦笑いを浮かべた。

「えー……。じゃ、ロックスで」



恋愛初心者は逃げ出した!




(あ、。さっきリオンとリッドとサレが仲良さそうに食堂に向かってたけど、珍しいこともあるよね)
(ろ、ロックスが危ない! ありがとうカイル!)
(……え?)






執筆:12年9月15日