「あ、じゃんっ!おはよう!!風邪大丈夫!?」
「美香!うん、大丈夫。心配してくれたの?」
「当たり前でしょ!友達じゃん、私たち!」
1週間ぶりに学校に登校すると、私の姿を見て咄嗟に出迎えてくれた美香。
美香が私を心配してくれていた。何だかそれがとても嬉しかった。
「、おはよう」
後ろから私の愛するの人の声が聞こえる。
「おはよう、多紀」
後ろを振り返るとにこにこ顔の多紀が立っていた。
昨日から多紀は黒い時でも前より優しい。
ううん、前とは比べ物にならないくらい優しくなった。
そう、色で例えると灰色になったのだ。
「おはよう、杉原くん。それじゃ、邪魔者は退散しようかな」
美香はそう言って微笑みながら違う友達のところへと行ってしまった。
気を使ってくれてありがとう、美香。
昼休み。
私と多紀はお弁当を持って屋上でのんびりとしていた。
綺麗に済んだ青空と太陽がまぶしい。
多紀は昼食であったメロンパンをたいらげると、私に訊ねた。
「今日、放課後あいてる?」
「うん、あいてる」
「また、選抜の練習見に来ない?ぼく、絶対活躍して見せるから。それに、郭にも言ってやるんだ」
郭、と聞いて私は郭君に対して申し訳ない気持ちになった。
振ってしまったのに、「守る」と言ってくれたのに逃げてしまった自分が恥ずかしい。
多紀は、郭君に何て言うんだろう?
「…何を言うの?」
私の心に少し不安が募る。
私がそう訊ねると、多紀が満面の笑みを浮かべた。
「ぼくはもうを泣かせたりしない。どんなことがあってもお前には渡さないからってね」
安心した。もっと、意地悪なことを言うのかと思ったたけど違った。
私物にされたのがちょっと恥ずかしくて、私は頬を赤く染める。
ひとりの女として見てくれてるのが凄く嬉しい。
「それじゃあ私も郭君に言わなきゃね」
え?という顔で多紀が首を傾げる。
「何を?」
「こんな私を好きになってくれてありがとう。でも、私が一番愛しているのは多紀だから、ごめんなさいって」
私がそう言うと多紀は怪訝そうな顔をした。
「、本当にぼく良かったの?」
「何が?」
質問の意味がわからなくて首を傾げる。
「こんなぼくより、優しい郭の方を選ぶって思ってた。は、本当にぼくを選んで後悔してない?」
悲しそうに話す多紀がとても可愛く見えた。
こんなこと口に出したら何されるかわからないけど。
私は思わず笑みがこぼれてしまった。
「私は多紀がいいの。多紀が好きだから。多紀になら…その、どんなことされたっていい…と思う」
「…」
「こ、こんなヤツですが…こ、これからも宜しくお願いしますっ」
すると、多紀がクス、と微笑んだ。
そして、私を優しく抱きしめてくれた。
「バカだね。は。そのセリフはぼくのセリフだよ」
毒舌が混じりながらも私が傷つかないように言ってくれてる優しい多紀。
私は黒くても白くても多紀でも好き。
だって、多紀はこの世で一人しかいないもん。
性格なんて簡単に変えられるものじゃない。
きっと多紀は今、黒の性格を直そうと必死なんだよね。
頑張れ、多紀。
失敗しても大丈夫だよ。
私、どんな多紀でも好きだから。
執筆:03年12月25日