※登場人物全員キャラ崩壊





赤色チャンネル



こんにちは。
今日リポーター兼カメラを勤めさせて頂きますのは
地上軍一の美少年(自称)ことピエール・ド・シャルティエです。

今回の「ビヴァ!地上軍の日常!」は最近軍に入ってきた
なんと、15歳の少女・さんに迫りたいと思います!
最近の地上軍の人気投票の結果のとおり、ほとんどの票数はさんに集まり、
あの突撃兵の異名を持つディムロス中将をも越してしまったのです!

それでは、さんのお部屋を覗いて見ましょう!
…いや、一応許可は取ってありますので盗撮ではないですよ。

僕はドアを3cmほど開けて中を覗いてみました。












「ねぇねぇーっ!ちょっとお買い物に行かないー?」

おや、どうやらリアラさんがさんを買い物に誘っているようです。
しかし、買い物ってどこにいくのでしょうか?

この辺にはアイテム少々、武器、防具と戦に使うもの以外何も売ってないのですが。
この年頃の女の子は綺麗なアクセサリーより無骨なものが好きなのでしょうか?

「ええよ、リアラ。ほな行こか~」

「やぁだ!ったら面白い喋り方ぁ!」

さんが珍妙な話し方をすると、リアラさんは満面の笑みでさんの左頬を突付いた。
…果たして、女の子同士でやっていて楽しいのかどうかはさておき、
さんは若干うざったそうにしています。
うわー、すごい露骨に嫌そうな顔してるのにリアラさん気づきませんよぉー。
わざとなのでしょうか?わざと気づかぬフリを…?

おっと、壁の隅のほうでなにやら黒い物体が蠢いているのが見えます。
…んん?モンスターの骨?
ああ!あれはジューダスさんでした!
いやー、なんだか暗すぎてわかりませんでしたよ!?
ウフフ、ジューダスさんって僕よりも目立たない系のキャラなんですね!

「オイ、…今日は僕と剣を見に行くと昨日言ってただろう?」

「え?私そんなこと言ったっけ?」

「いや、僕の夢の中で確かにそう言っていた。
ついでに、挙式の下調べなどもしてこようかという話もしていたな」

手を組んでモヂモヂくねくねと体をくねらせながら言ったジューダスさんにさんはこう一言。

「それは幸せな夢だったのね。じゃあ、出演料ちょーだい」

するとジューダスさんは大口開けたまま固まってしまいました。
しかも体が90゜に傾いてるし。器用ですね。
夢なのに出演料を取るさん。お金にがめついようです。意外な一面です。

「ねぇー、こんな気味の悪い人放っておいて早く行きましょうよ」

「あ、うん」

リアラさんはさんの手を引っ張ってドアの方に向かってくる。
一瞬、後ろを振り向いてジューダスさんを見て嘲笑したのを僕は見てしまいました!

ええ!ばっちりこの使い捨てカメラ「写●んです」(980G)に収めましたとも!!

おっと危ない!この仕事がばれたらリアラさんのエンシェントノヴァ喰らっちゃいますね。

僕が物陰に隠れたと同時に、リアラさんが「ドアが3cm…」と呟きながら顔を歪めた。

「どうしたの?リアラ」

「…ロニか、カイルか。覗いてたわね?
乙女(+α)の会話を盗み聞くなんて、身の程知らずにも困ったものね」

天国のお母さん、お父さん、お祖父さん、お祖母さん、ご先祖様!
僕は今ヂゴクを背景に背負った少女というものを初めて見てしまいました!

そして、カイルさん、ロニさん…ごめんなさい!
罪なすりつけてごめんなさい!!!!
すみません!僕の代わりに殺られてください!!!!
僕とてまだ若いんだし死にたくないです!!

実は犯人が僕だと知っているさんは苦笑しながらこちらを向いて微笑んだ。
可愛いなぁ。
…ん?どうして僕がここに隠れていることがすぐにわかったんだろう。








さんとリアラさんがやってきたのは、俗に言う闇商人ってやつのとこ!?
うわああ、どうしよう!これ放送禁止!?
あ、でも少し興味があるのでモザイクかければ問題ないですよね?

「すいません、一発で人…じゃなくてモンスターを倒せるアイテムあります?」

リアラさんが迷うことなく闇商人に訊ねました。

うわぁ、今明らかに「人」って言いましたよ!
きっとカイルさんかロニさんのどちらかを始末するために買うんでしょうね。

闇商人は難しい顔をすると、「残念だけどそういうのはないねぇ」と言いました。

ありがとう!闇商人!これで二人の命が救われたよ!
僕のせいで二人が死んでしまったらちょっと胸糞悪いですからね!

「ちっ」

リアラさんは舌打ちをすると、親指を下に向けて立て、闇商人を睨んだ。
怖っ!!リアラさんって本当に女の子ですか!?

おっとっと、リアラさんの意外な一面にリアラさん吃驚特集になってしまいました。
この番組の視聴率を上げるためにもさんをウォッチングしませんとね。
そう、僕の乏しいお給料を上げるために!!
そう、これは仕事であって、ストーカー行為ではありませんよ。
ストーカーといえば先ほどからジューダスさんがあっち側からさんを見つめています。
すごい丸見えなんですけど。でも、さんたち気づいていないみたいです。
まぁ、それは放っておいてさんですね。

おや、さんは銃を見ていますね。
そういえばさんの使用する武器って銃なんでしたよね。










「あっ、!!どうしたの?こんなところで。
良かったらオレと今からレベル上げと言う名の修行に行かない?!」

おっと、ここでカイルさんのご登場です。
うわぁ、すごいよリアラさん!
後ろからカイルさんをすごい勢いで睨んじゃってますよ!
これは不意打ちで攻めるのでしょうか?卑怯ですね。

僕、ああいう子は間違えてもお嫁にもらわないように気をつけなきゃ。

「カイル」

「何?

さんはゆっくりとカイルさんの後ろを指差しました。
カイルさんは「えー?」といいながら後ろを振り向き、そして青い顔して固まってしまいました。

「……り、リアラ…?」

そうです、あのリアラさんが右手に杖を、左手に握りコブシをという状態で
カイルさんにいつでも攻撃できるように構えているのです!!

「はいはいはい!リアラ!!やめようよ、そういう危ないことは。
一応リアラも女の子でしょ?女の子が暴力するなんて驚きだよ?ファンがいなくなるよ?」








…………。







リアラさんに、ファンなんかいたのか。











「”いたのか”って顔したな。お前」

「ぶぁあ!?」

気づけばいつのまにか僕の隣にジューダスさんが。

「お前もか?(ストーカー)」

「いいえ、僕は貴方とは違います。何ですか?今、撮影で忙しいんですけど」

「やはりを盗撮していたのか。この変態が!」

「失礼ですね!これは我が軍の戦力補給と僕のお給料のためです!!」

僕がそう言うと、ジューダスさんは「…そうか」と呟き、不敵に笑った。

「僕にも手伝わせてもらおうか」

「は!?」

ジューダスさんの発言に、僕は思わず使い捨てカメラを落としそうになった。

「ほら、が行ってしまう。追うぞ!」

「あ、は、はい!」

僕の推測ではありますが、きっとジューダスさんはストーカーのベテランです。
だって、すごい丸見えのはずなのにバレてないんだもん。
きっとかなりの経験積んだに違いありません。








さんはカイルさんとリアラさんに挟まれて黙々と歩いていました。
カイルさんとリアラさんが睨み合っています。
まさに一触即発の状態です。

さん、その間に挟まれててすっごい可哀相!

でもね、僕には助けて上げられないんです。
恨まないでくださいね!

「なーにしてんだ?カイル。ってぅおおお!!!!!!!!!!
俺の可愛いじゃねぇかッ!こんなところまで俺を迎えに来てくれたのか!!」

何気にさんを私物化したロニさん。
もう、さん以外アウト・オブ・眼中って感じですね。
もちろんそれを聞いたリアラさんとカイルさんは額に青筋を浮かべています。

「……いいや、は僕のものだ」

忘れていました。
僕の隣にも、ものすごーく顔を歪ませてる人がいました。
…ジューダスさんです。

「僕だけの、だ」

挙句の果てには親指を噛み締めるジューダスさん。
うん、とても可愛い怒り方です。






「何言ってんだよロニ!は将来、英雄(オレ)のお嫁さんになるんだぞ!」

英雄イコールカイルさん?それはおかしいんじゃないでしょうか?
英雄はこの僕(の予定)ですし。ってことは僕の妻になる人ってさん!?

「バカ言ってんじゃねぇぞバカイル!はな、お前のようなへろへろは好みじゃねぇんだよ!
俺のようなナイスで優しく紳士な男が好きなんだよ」

自分で言ってるあたりかなり危ないです。

「バカか貴様ら!貴様らのようなバカどもは僕のには何をしたって吊り合わん!
それに僕は頭も家柄も容姿も素晴らしく良い!!ほら、仮面をとって見ると…ふっ、どうだ?諦めるんだな」

隣にいたはずのジューダスさんがいつのまにか参戦してしまいました。
うわぁ、ジューダスさんが自らモンスターの骨はずしましたよ!
あ、ホントだ。何気に容姿いいし。僕には及びませんがね。

「……よ、極限の嵐!」

ん?リアラさんが詠唱を?
ってこれは!まずい!逃げなきゃ!!

僕は岩陰に隠れた。
そして、風が舞い始め、それはだんだん大規模になっていく。

「フィアフルストーム!!!!!!」

ズドォォォン

リアラさんがフィアフルストームを唱え、カイルさん、ロニさん、ジューダスさんが
綺麗に洗濯機に回されているかのように空を回っています。

…ご愁傷様。(合掌)

「こんにちは、シャルティエさん」

さんはちゃっかりと僕の後ろに避難しちゃってるし。

「こんにちは、さん」

「撮影お疲れ様です」

「いえいえ、さんも大変ですね」

「ううん、もう慣れたから」

そう言って苦笑するさん。
会話が続かない…。なんとなく、ぎこちない雰囲気だった。
うん、そろそろ会議の時間だし、今日はここまでにしよう。

「それでは、僕はそろそろ失礼しますね」

「あ…。…はい」











翌日、僕が取材した番組が地上軍内で放送されました。
もちろん番組は視聴率100%と高視聴率で、お給料も入りました。
しかし、その番組を見たカイルさんたち(特にリアラさん)からの苦情で
番組は途中で止めざるを得なくなりました。


「シャルティエさん…よくもわたしのファンを減らすような
糞番組作ってくれたわね?歯ァ食いしばりやがれっ!!!」

「あわわわ、ま、待って下さいよ!!」

「問答無用!!!」

後に、リアラさんに呼び出しをくらい、半殺しにされたことは言うまでも無い

⇒後日のことでした、



執筆:04年12月7日
修正:08年3月25日